スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--/--/-- --:-- | スポンサー広告 | pagetop↑
か弱き一輪の花
遠浅の海の上にいかだのような板を渡して
まるで浮島のような場所で人々が生活を営んでいる
普段はむせ返るような南国特有の密度の濃い大気も
朝日が昇って間もない早朝は朝露と草々の香りで清々しい

軋む橋桁のリズムに妙に懐かしさを感じながら
歩き回ると水稲の実を粉にしてパスタを作る食堂主人や
その横で透き通ったスープの味見をしている少女の姿が目に入る
この地方独特の香辛料の香りが漂ってくると同時に軽い空腹を感じた

.







『おはよう』

現地の言葉で話しかけてみる
小島が点在し島ごとに微妙に言葉の響きが違うが
私が習得してきた言語はかろうじて通じるようだった

『マンゴージュースとナシゴレン』

この地方に自生する果実のジュースと
水稲の実を炊いて炒めたものを注文してみた
インドではこの果実を干したものを売っているが
新鮮な果実から作られたジュースの爽やかさは格別だった
辛味の効いたソースが添えられた食事と
甘く冷たい

そんなことを考えつつ朝食をとっていると
いつの間にか少女が近くに立っていた
ペルシャ湾のあたりでよく見かける装束をまとっていたが
顔立ちは欧州出身と一目でわかる

冒険も交易も一人前の2歩くらい手前の年若い少女は
心細げに話しかけてきた

「すみません……通訳…お願いできませんか」

海事修行でこの地に長く滞在する者は少なくないが
わざわざ言語を習得して修行に臨む者はそれほど多くない
何しろこの地の言葉を習う者が少ないため
言語習得のための費用がやたらと高いのである
冒険者ならば習得している可能性もあるが
あいにくの早朝でまだ誰もいない

少女はやっと見かけた現地以外の人間である私に
すがる思いで声をかけてきたのだろう
幸い私は少女の期待にこたえることができた^^
すぐさま少女を艦隊に誘った
空腹を訴える少女の意を食堂主人に伝えたが
少女は食事代を払うことができなかったようだ

銀行と食堂を往復し少女はやっと落ち着きを取り戻した

落ち着きを取り戻した少女に事情を聞くと
少女の保護者が昨夜航海中に眠ってしまったとのこと
一人ジャカルタの街で
手持ちのお金もなく
船員も雇えず
言葉も通じず
空腹のあまり動くこともできず
そして手持ちの食事もないという悲惨な状態だったとのこと

不運を何重にも背負った少女を
救ってあげることができた喜びを感じた

それから30分ほど経過しただろうか
少女は保護者と無事に合流できたとの知らせが入った

滅多にない不運を味わってしまった少女に
別れ際の決まり文句のようになってしまっている船乗りの合言葉を
心を込めて送った

「貴女の航海に良き風が吹きますように^^」

少女の元気な「はいっ!」という返事が
早朝の爽やかな風のように軽やかに街に響いた


スポンサーサイト
2007/05/27 10:01 | 胡蝶 | コメント(2) | Trackback(0) | pagetop↑
<<天衣無縫なようでいて | ホーム | これもまた通過点>>
コメント
ダイシンさん、いらっしゃいませ^^

って、謎なところからいらしたのですね^^
全く関係ないのですが…
なぜ私のBlogが「うつ関連」に^^;;;
シャルファ * URL [編集]2007/06/10 03:01
シャラさんこんにちは^^

転職就職関連のブログを見てたら、
ここに当りましたW

http://tennshokunews.blog103.fc2.com/blog-entry-325.html
ってとこから入りました^^
なんか関係あるの~W
ダイシン * URL [編集]2007/06/09 11:37
コメントの投稿












管理者にだけ表示を許可する

トラックバック
トラックバックURL
http://sharufa.blog33.fc2.com/tb.php/453-7271f1b9
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
| ホーム |
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。