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Season's Call
暑さを感じた私は腕まくりをし職場の窓を開け放った
風が心地よい
振り返るとそこには誰もいない

今日は一日中会議で同僚は皆会議室に集合しているのだ
私は治療の影響で体から放射線を放出しているので
長時間人のそばにいてはいけないと医師から警告されている
会議には出られないのだった

電話番などをしながら一人でエクセルをいじりまわしていたが
気分転換に窓を開け外を眺めた

絡みつくような風が腰まで伸びた私の髪をなぶっていく
風の匂いをかぐように空を見上げ
うっすらと黄色く色づいた晴天に新しい始まりを見たような気がした
今年の冬も雪は少なくそれほど冷えなかったように思う
冬という季節を失ってしまったのかもしれない
などと仕事とは関係のないことをしばし考えてみる

私は何がしたいのだろう
何を目指しているのだろう
どこに向かっているのだろう

私の体の中には放射性物質が駆け巡っている
自分の体からどれだけの放射線が放出されているのかはわからない
でもそれは確かに私の体の中の何かを確実に殺している
目で見てわかるほど腫れ上がった患部が
まだ死にたくないと抵抗しているかのように痛みを放つ

私の一部が私自身を敵とみなして私を攻撃する
それをやめさせるために
私は私の一部を殺そうとしている
私と私が私の中で争っている
私を拒む私と私を拒んだ私を拒む私
歩み寄れないのかな
今まで一緒に生きてきたはずなのに
私の目指す景色を私は見てくれなくなった
なぜ同じ私なのに私と認めてくれないんだろう
元は同じなのに異なると認識したとたんに
攻撃し会うのは生き物に刷り込まれた本能なのだろうか


病気のせいで喉が渇く
何かで潤したいと思う
水を口にふくんでもすぐに乾く
何を飲めば私を潤いを感じるのだろう
何をすれば私は満たされるのだろう

とりとめのないことを考えていたら
午前の会議を終えた同僚が戻ってきた

暖房を切り窓を開け放している私に
皆が奇異の視線を向けてくる
誰かがそっと窓を閉め暖房のスイッチを入れる

室内の温度計を見たら10度と表示されていた

それを見て部屋が暑いのではなく
自分の体が異様に発熱していることに気づく

死にかけた私の一部の悲鳴なのか
それとも
死にかけた私の一部を助けるために私が頑張っているのか
私を拒む私と私を拒んだ私を拒む私と
そんな私を包み癒そうとする私と
私の中に色々な私がいてそれぞれちぐはぐに動いている
生きるためのボタンを掛け違えた私はどこまでずれ続けるのだろう
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2009/04/03 00:52 | 雑記 | コメント(2) | Trackback(0) | pagetop↑
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コメント
小魚が大群を作るのは群れが襲われた時に同属の誰かが生き延びればいいという本能からだとか
だからといって私という個を生かすために私の一部を殺してもいいという理屈にはならないけど
それでもやっぱり生きていたいというエゴが勝ってしまうのですよね
生き延びた私が精一杯生きるからゴメンネ(><と言うしかないですよね(;;
シャルファ * URL [編集]2009/04/10 01:16
人は生きていくのに必要では無いのに同属や自分の住む世界すら壊していく業の深い生き物、哀しいこと。

でもそんな生き物でも最終目的、そして最も原始的な想いは「生きていたい」だと思いますね。

ちっぽけな我々には、瀕死だろうと、どんな状況だろうとソレを手放さず進み続ける事が
大事なのでしょうね。
それが、最も単純で、最も醜くても、最も尊いと思います。
紅夜 * URL [編集]2009/04/09 13:19
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